☆このコーナーでは、ミレニアル世代の働く女子のトレンドやインサイトを紹介していきます。

最近、20代の働く女子たちに「それどこの服?」と聞くと、1年前には聞いたことがなかったようなブランドの服を着ている人が増えました。しかも、ネットを主戦場としたブランドの比較的リーズナブルな服。

「試着なし」でのショッピングに抵抗がある人も多い中、この世代の女子はスマホでポチポチ買っていくのです。それに伴い、新興ファッションECブランドもどんどん増えています。

本記事では、店舗を持たずに自社ECサイトで販売をするD2C(Direct to Consumer)スタイルのブランドや、ネットで話題になって店舗を持つようになったブランドなどを「ネット発ブランド」と呼びます。そして、彼女たちがネット発ブランドと出会い、選ぶまでの過程に迫ってみたいと思います。

1)ネット発ブランド購入経験者は7割!

Litboxが行ったアンケートによると、

・「店舗よりもネットで服を買うことが多い」という人が約41%
・「ネット発ブランドの服を買ったことがある」という人が約72%

という結果が出ました。

「服は9割方店舗で買う」という人も30%強いましたが、ネット発ブランドの購入経験がこれだけ多いことを考えると、ネットで服を買うことへの抵抗が少なくなりつつある、ということは言えそうです。

また、服1着あたりにかける平均予算を伺ったところ、仕事用の服については6割以上が「5000円未満」と回答。
プライベート用の服にはもう少し予算を取っているようですが、それでも半数が「7000円未満」に抑えていました。
この価格帯だと、いわゆる有名ブランドの服は選択肢から外れるでしょう。また、この価格帯におさまるネット発ブランドは、一般的には必ずしも知名度が高いとはいえません。「無名」ともいえるブランドの手頃な服をネットで探して購入している……そんな彼女たちの買い物事情が浮かび上がります。

2)「無名」の「ネット発ブランド」が選ばれる理由

では、「無名」の「ネット発ブランド」を彼女たちが選ぶようになった理由はどこにあるのでしょうか?
まず、「ミレニアル世代」とも呼ばれるこの世代の特徴として、「あの有名ブランドの服」「雑誌やテレビで紹介されたアイテム」といったステータスを重視するのではなく、商品そのものを評価して買い物をすることが挙げられます。
デザイン、質、コストパフォーマンスなどを重視し、知名度に左右されず自分が気に入ったものを購入する傾向があります。

また、ネット発ブランドに人気が集まっている背景には、ネットで入手できる豊富な情報があります。
特に、アラサー女子世代にも大人気のSNS「Instagram」の存在が鍵になっているのです。

3)ネット発ブランド成功の鍵はインスタマーケティング

ネット発ブランドをどのように見つけたのか女子たちに聞いてみると、「インスタで見つけた」という声が非常に多くなっています。
InstagramはSNSという枠を超えて、ファッション雑誌のように活用している人が増えています。好きなアカウントをチェックしたり、タグを辿ったりして、ファッションの参考にしたり新たなブランドを知ったりするわけです。
では具体的に、どうやって新しいブランドと出会うのでしょうか?

新しいブランドとの出会い方

1つは、ハッシュタグでの検索です。例えば「#ロングスカート」など欲しいものをハッシュタグで検索し、ピンと来た写真をクリックして商品に出会う方法です。

2つめは、友達やインフルエンサーが洋服の写真に、ブランドのアカウントをタグ付けしている場合です。ダイレクトにブランドのアカウントを知ることができます。
仮にブランドのタグ付けがされていない写真でも、気になった服がどこのブランドなのか、知らない人に直接コメントで聞いたりすることもインスタ上ではよくあります。

上記を意識し、Instagramをうまく活用することで、店舗を持たないD2Cブランドや新興ブランドであっても、女子の間で火がついて人気が出たものもあります。

例えば、下記のブランドなどがあげられます。
fifth https://www.instagram.com/fifth_store/
titivate https://www.instagram.com/titivatejp/
&.NOSTALGIA https://www.instagram.com/nostalgia_jp/

 

インフルエンサーを使った宣伝方法
Instagram上での宣伝活動として、多数のフォロワーを抱えた「インフルエンサー」を活用している企業はたくさんあります。特に、ファッション系のインフルエンサーには企業からのPR依頼が殺到しており、あるインフルエンサーは「服をまったく買わなくなった」とのこと。

その多くはギフティング形式(物品のみの提供でギャラは発生しない)ですが、依頼が殺到するあまり、ギフティング形式のPR依頼は難しくなってきつつあること、またコーディネート写真の場合、1投稿にたくさんのブランドのタグ付けがあり埋もれてしまうため、ただ服を着てタグ付けしてもらうだけの見せ方以外にも工夫が必要になってきたように思います。

▽依頼が殺到するインフルエンサーの苦労が分かる1面

4)試着ができない中、女子はココを見ている

ファッションECで最大のハードルと言える「試着なし」での購入。
もちろん、素材のイメージが違ったりサイズが合わなかったりの失敗はあるようですが、そういったリスクを最小限に抑えるべく対策をしっかり取っています。

「ポチる」までのステップ

・商品ページの写真は多いほど助かる。布の質感もアップで見てイメージをふくらませる。レビューは、着てみないと分からないような感覚的なことも分かるので、悪い口コミも含めてチェック。

・インスタのブランドのタグ付けやWEARで、着ている一般の人のリアルな写真を探す。無名ブランドの場合はインスタのフォロワーやタグ数などを見て知名度を確認することも。

・最終的に迷ったときは、返送対応してくれるかどうかや、メルカリで売れるブランドや商品なのかをチェックする人も。

このようにECサイトの情報だけでなく、SNSにアップされているレビューや、リアルな着用写真などもチェックしてから購入し、新しいブランドにもどんどん挑戦をしています。
ネット上の情報が充実していれば、わざわざ試着しなくても商品のイメージがつかみやすくなり、ネットで購入するハードルも下がります。

5)まとめ

彼女たちは、ブランドなどのステータスではなく、商品そのものをしっかり判断して服を購入しています。
そして、新しい商品との出会いや、購入時の判断材料として大きな役割を果たしているのがInstagramです。リアルな着用写真や生の声もチェックして、信頼できる商品やブランドを見つけています。

アパレル企業に限らず、ネットで商品を販売する企業としては、Instagram上でいかに見つけてもらえるかを考え、詳細かつリアルな情報をウェブ上に用意しておくことが重要だといえます。

なお、ファッションのみならず、コスメや雑貨なども、Instagram発のD2Cブランドが流行しつつあります。
Instagramの活用とネット発ブランドの発展、今後も注目したいところです。

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